- 指値注文
- 成行注文
- ストップ指値注文
- ストップ成行注文
- 利食い指値注文
- 利食い成行注文
- トレイリングストップ
今回はBitMEXで豊富に存在する注文や、注文のオプションについて紹介します。
注文をうまく活用すれば利益を大きくしたり、損益を小さくすることができるので、ぜひ参考にしてください。
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BitMEX(ビットメックス)の注文にかかる手数料
実際の注文に触れる前に、まずBitMEXの注文にはどのくらい手数料がかかるかを紹介します。
BitMEXでビットコインFXの注文をする際に発生する手数料とその金額をまとめたものが以下の表になります。
Taker手数料 | 0.075% |
---|---|
Maker手数料 | -0.025% |
資金調達率 (Funding手数料) | -0.375%~0.375% (8時間ごとに発生) |
決済手数料 | 0.05% |
Taker手数料は成行注文をしたときに発生する手数料で、Maker手数料は指値注文をしたときに発生する手数料です。
同じ注文でも、指値注文を行うと手数料を受け取ることができます。
またBitMEXでポジションを持っていると資金調達率(Funding手数料)という手数料が発生します。
資金調達率はビットコインの現物とFXの価格の乖離を抑えるためのもので日本時間の5時、13時、21時に取られます。
金額は変動しますが、BitMEXのページ内で確認することが可能です。
さらに現在持っているポジションを決済させると0.05%の決済手数料が発生します。
BitMEX(ビットメックス)で使える7つの注文/決済方法

ここではBitMEXでできる7種類の注文の方法を紹介します。
ただ初心者は「指値」か「ストップ指値」の2つを抑えておけばいいでしょう。
「成行」もありますが、Taker手数料がかかるのでおすすめはできません。
「指値」と「ストップ指値」からBitMEXに慣れて、だんだん選択肢を広げていくことをおすすめします。
注文①:指値(Limit Order)のやり方

指値注文は自分が買いたい(売りたい)と思う価格、数量で発注して成立を待つ注文です。
BitMEXにログインして、左側の「発注」から「指値」を選んで行います。
そして自分の買いたい(売りたい)指値と数量を入力して「買い/ロング」か「売り/ショート」をクリックすれば完了です。
指値注文は成立するとMaker手数料をもらえるので、なるべく指値で注文をしてください。
買いの注文でレートより高い価格を、売りの注文でレートより低い価格を設定すると即座に成立してしまいます。
即座に成立した場合はTaker手数料が発生してしまうので気をつけてください。
注文②:成行(Market Order)のやり方

成行注文は買いたい(売りたい)数量だけを決め、そのときの相場価格に最も近い価格で売買する注文です。
「発注」から「成行」を選び、数量を入力して「成行買い」か「成行売り」を選べば完了します。
指値注文とは違い、成行注文は即座に注文が成立する点が魅力です。
ですがTaker手数料が発生してしまうため、よほど急ぐ用がない限りは指値注文をすることがおすすめです。
注文③:ストップ指値(Stop Limit)のやり方

BitMEXでは通常の注文のほかにストップ注文というものがあります。
ストップ注文とはあらかじめ「ストップ価格」という価格を設定しておき、買いの場合はストップ価格より高くなったときに、売りなら低くなったときに注文を行います。
このストップ価格を超えたときに指値注文をするのがストップ指値注文です。
発注画面の矢印から「ストップ指値」を選び、数量と指値、ストップ価格を入力して「買ストップ」か「売ストップ」を選択します。
注文④:ストップ成行(Stop Market)のやり方

ストップ成行注文は、ストップ価格を超えたときに成行注文をするように設定する注文です。
発注画面から「ストップ成行」を選び、数量とストップ価格を設定すれば完了です。
普通BitMEXでは手数料の問題から指値注文が推奨されます。
ですがストップ価格を設定して損切りに使う場合には、指値ではなく成行で注文したほうが確実にリスク管理が可能になります。
ストップ注文はオプション設定によって損切りに使うか使わないかを選べるため、そちらも参考にしましょう。
注文⑤:利食い指値(Take Profit Limit)のやり方

利食い注文はストップ注文と同じく価格を設定する注文です。
ストップ注文は相場が意図しない方向へ動いたときに損失を抑える注文です。
一方利食い注文は自分の都合のいい方向へ相場が動いたときに利益を確定させる(利確)ための注文です。
両者の違いは、以下のように図式化することができます。
買いポジション(ロング) | 売りポジション(ショート) | |
---|---|---|
ストップ注文(損切り) | ストップ価格≦現在価格でストップ | ストップ価格≧現在価格でストップ |
利食い注文(利確) | トリガ価格≧現在価格で利食い | トリガ価格≦現在価格で利食い |
発注画面の矢印から利食い(指値)を選び、数量と指値、トリガ価格を設定すれば注文できます。
BitMEXではストップ注文で指定する価格をストップ価格、利食い注文で指定する価格をトリガ価格と呼びます。
名前は違いますが、特に機能などに違いはないので気にせずに設定をしてください。
注文⑥:利食い成行(Take Profit Market)のやり方

利食い成行注文は、トリガ価格が現在価格を上回ったときに成行注文で即座に利益を確定させる注文です。
発注画面の矢印から利食い(成行)を選び、数量とトリガ価格を設定すれば注文できます。
基本的にはストップ注文と同じく、成行のほうが確実に利確をすることができます。
注文⑦:トレイリングストップ(Trailing Stop)のやり方

トレイリングストップ注文はストップ注文のひとつです。
ストップ注文はストップ価格を設定する注文ですがトレイリングストップ注文では「トレイル値」という値幅を設定します。
値幅。注文した時点の価格からレートを追い、設定したトレイル値を逆行した時点で成行注文を出して損切りする。
例えば現在のビットコインが8000ドル、目標価格は8100ドルとして買いでポジションを取るとします。
順調に推移して8100ドルとなったときに利確をすれば利益を確保できますが、ここでトレイリングストップ注文を活用します。
トレイル値を-20ドルに設定してトレイリングストップ注文を出すのです。
すると8100ドルをピークに値下がりをしても、トレイル値分の80ドルは確実に利益を確保できます。
目標価格を定めていればトレイリングストップ注文を使うことで利益を確保し、かつ値動きのリスクを抑えることが可能になります。
設定も他の注文同様、発注画面の矢印から「トレイリングストップ」を選び、数量とトレイル値を入力するだけで完了します。
ただトレイリングストップ注文には成行注文しかないので、Taker手数料がかかってしまう点は注意しましょう。
BitMEX(ビットメックス)で使える6つの注文オプション

BitMEXでは7つの種類の取引を行うことができます。加えて注文オプションを設定すれば、取引は更に多様になります。
しかし取引によってはオプションを設定することや、逆に設定しないことで不利益が出る場合もあります。
ここではBitMEXの取引オプションと注意しておきたいことを紹介します。
1.Post-Only
「Post-Only」が設定できる注文一覧 |
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指値注文、ストップ指値注文、利食い指値注文 |
Post-Onlyは指値注文をするときに選択できるオプションです。
チェックを入れると注文が必ずオーダーブックへ記載され、確実にMaker手数料を受け取ることができるようになります。
指値注文をしても、成行で決済されてTaker手数料が発生する場合もあります。
特に不自由になることはないので、指値注文のときは極力Post-Onlyにチェックを入れるようにしましょう。
2.注文の有効期限(GoodTillCancel・ImmediateOrCancel・FillOrKill)
「注文の有効期限」が設定できる注文一覧 |
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指値注文、ストップ指値注文、利食い指値注文 |
指値注文は成立するまでに時間のかかる注文のため、有効期限を設定することができます。
BitMEXでは注文の有効期限を以下の3つから選択します。
- GoodTillCancel(GTC)
- ImmediateOrCancel(IOC)
- FillOrKill(FOK)
GTCは直訳すれば「キャンセルするまで有効」、つまり成立するかキャンセルするまでは無期限に有効となります。
IOCは注文のうち即座に成立したもののみを売買し、できなかった数量はキャンセルされるというものです。
そしてFOKは全数量が成立しなければ、注文そのものがキャンセルされるというものです。
基本的にGTCにチェックを入れておけば大丈夫です。
3.非表示/アイスバーグ注文(Hidden)
「注文の有効期限」が設定できる注文一覧 |
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指値注文、ストップ指値注文、利食い指値注文 |
Hiddenは注文がオーダーブックへ載せたくないときに使う項目です。
実際にHiddenにチェックを入れると次にアイスバーグ注文用の入力欄が表れます。
ひとつの注文を目立たせないように小分けにして発注することをアイスバーグ注文と呼びます。
例えばアイスバーグ注文用の入力欄に「10」と入力すると、注文分のうち10ドル分しかオーダーブックに載りません。
Hiddenは機関投資家など、大規模な取引を行う人のためのオプションです。
基本的には外しておいてください。
4.減少限定(Reduce-Only)
「減少限定」が設定できる注文一覧 |
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指値注文、ストップ指値注文、利食い指値注文 |
減少限定は設定したポジションを減らすような注文しかできず、それ以外をキャンセルするようにするオプションです。
例えば100ドルの買いポジションを持っているときに減少限定を設定するとします。
このとき更に100ドルの買いポジションを持とうとすると、注文がキャンセルされてしまいます。
では売ることは自由にできるのかと言えば、そうではありません。
この状態で300ドル分売ろうと思うと差し引き200ドルの売りポジションを持つことになります。
するとポジション自体は増えてしまうので、注文は自動的に200ドルの売却へ変更されてしまうのです。
こうすれば差し引き100ドルポジションを持つことは変わりません。
現象限定の設定は注文ミスを防ぐために使われます。
BitMEXはレバレッジの倍率を高く設定できるため、注文の際に1桁間違えるだけで大きな損益になる可能性があります。
大きなレバレッジをかけたい人、おっちょこちょいだと自覚する人はチェックを入れておくといいかもしれません。
5.トリガ(Trigger)
「トリガ」が設定できる注文一覧 |
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ストップ指値注文、ストップ成行注文、利食い指値注文、利食い成行注文、トレイリングストップ |
ストップ注文や利食い注文など、自分で基準となる価格を設定するときにはトリガというオプションを利用できます。
トリガでは以下の3つの価格を基準として設定可能にします。
- 直近(直近価格)
- インデックス(インデックス価格)
- マーク(マーク価格)
直近価格はBitMEXで最後に取引された価格を参照します。
インデックスはBitMEXが参考とするBitstamp、GDAXでの直近価格を参照します。
マークはインデックス価格にBitMEXが「ベーシス」という特殊な計算を加えた価格であり、ロスカット価格などにも使われています。
もしストップ価格やトリガ価格を設定するのに困った場合は使ってみるといいでしょう。
6.トリガ時に決済(Close on Trigger)
「トリガ時に決済」が設定できる注文一覧 |
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ストップ指値注文、ストップ成行注文、利食い指値注文、利食い成行注文、トレイリングストップ |
「トリガ時に決済」はストップ注文で利用します。
チェックが入っていると注文時にポジションがある場合、今あるポジションを決済・減少させる注文となります。
デフォルトでチェックが入っており、外すと新たにポジションを建てる注文となります。
ストップ注文で損切りをするときにはチェックを外さないようにしてください。
BitMEX(ビットメックス)の注文をキャンセルする方法
BitMEXはシンプルな操作で多くの種類の取引をすることができます。
しかしそれ故に操作ミスなどで誤った注文をしてしまい、キャンセルをする必要が出てくることもあるでしょう。
BitMEXで注文をキャンセルするには画面右下の現在のポジションが表示される画面の「アクティブな注文」のタブを使います。
「アクティブな注文」には現在の注文がすべて表示されるので、キャンセルしたいものの右端の「キャンセル」を選べば完了です。
BitMEX(ビットメックス)の注文がエラーになった場合は?
BitMEXの注文がエラーになる原因は主に3つ考えられます。
- 注文過多によるサーバーエラー
- 「Post-only」設定ミス
- 強制ロスカット済み
基本的に注文が約定されない理由としては以上3つが原因となることが多いので、まずはここから確認してみましょう。
また、注文約定の仕組みや具体的な対処法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください!
【さいごに】BitMEX(ビットメックス)の注文まとめ
今回はBitMEXで行うことができる注文について紹介しました。
- BitMEXでは注文によっては手数料を受け取ることができる。
- BitMEXでは7種類の注文ができるが、指値注文とストップ指値注文の2種類が基本となる。
- BitMEXでは「アクティブな注文」のタブから取引のキャンセルができる。
- BitMEXには注文ごとにオプションがあり、用途を理解することで細かな設定が可能。
BitMEXは逐一細かな説明がついてくるわけではないので取っつきにくく思われるかもしれません。
ですが注文やオプション設定などがきめ細かく用意してあり、ミスなどを抑えることができるようになっています。
BitMEXは海外の取引所ではありますが日本語にも対応しているなど、ビットコインFXの初心者にこそおすすめの取引所です。
もしビットコインFXに興味があるなら口座開設だけでも始めてみてはいかがでしょうか。
快適に取引ができることは間違いありません。